リストマーケティングが強過ぎる美容室の事例

安定したビジネスを作るためには、リストマーケティングは必須

どんな大企業も取り入れている、マーケティング手法です。

 

とは言え、上手く活用できていない中小企業や個人が多いのも事実。

 

・なぜ、リストがあるとビジネスが有利なのか?

・どうやってリストを集めれば良いのか?

・どうやってリストを活用すれば良いのか?

などなど。

 

ある美容師さんとの出会いを元に、リストマーケティングについて解説していきます。

この記事を参考に、あなたもリスト活用方法をマスターしていただければ幸いです。

リストマーケティングが儲かる理由

ビジネスにリストは絶対に必要です。

 

僕は現在、銀座にある美容サロンのコンサルをさせていただいています。

この美容サロンは、集客をするために、ある有名な媒体を利用しています。(名前と金額が出せない大手)

 

この媒体から、1人集客するのにかかるコストが17,000円。

お客さんを1人呼ぶだけで17,000円です。

 

日本トップの土地である銀座だから、ある程度高いのはしょうがないですが、それにしても高い。

別のお店ですが、僕のカット代とカラー代で16,000円。

 

これでは、場所代、材料代、給与などの経費を考えれば大赤字です。

 

そこで、1度来店したお客様と連絡先(LINE)を交換して、LINEを経由してリピートしてもらえれば集客コストは0円。

つまり、リストを活用することで「集客コスト17,000円→0円」になります。

 

また、お客様のリストを保有することで、販売者側から何度もアプローチをすることも可能です。

 

ホームページを作って、広告を掲載して、お店を構えて・・・

これだけでは、お客様から行動をしてくれないと、利益を生み出すことができません。

どうしても待ち(プル型)のビジネスになってしまいます。

 

僕が経営している飲食店でも、リストマーケティングを当然、取り入れています。

 

大雨。お客様は0。

このままでは、せっかく準備した食材がダメになってしまう。

それなのに、従業員への給与は発生している。

 

どうにかお客様に来てもらわないと・・・

 

そんな時、リストを持っている僕たちは、お客様にすぐに連絡をすることができます。

 

本日、ご来店いただくと、先着10名様限定でワインを1本プレゼントいたします!

厳選した食材で作り上げた、至高の料理をお楽しみください。

 

このように、リストを保有することで、待ち(プル型)のビジネスが、攻め(プッシュ型)のビジネスに様変わりします。

お客様の来店を、ただただ待っているライバルを置き去りにすることが可能なのです。

 

誰がどう考えても、リストは活用するべきですよね!

極悪非道なリスト取り戦略

便宜上「リスト」と言っていますが、メールアドレスやLINEアカウントは、僕たちの大切な個人情報。

街中で、急にナンパしてきた男と連絡先を交換する女性が少ないように・・・

リストをいただくのは、なかなかカンタンな事ではありません。(舐めてはいけない)

 

リストという報酬をいただくには、それなりの対価を渡す必要があります。

 

つまり、僕たちは

リストを渡してでも、そのプレゼントが欲しい!

と見込み客に、思ってもう必要があります。

 

プレゼントを用意することは、マーケティングの“超基本”であり、今後も変わらない事だと思っていました。

そう。思っていました。

 

しかし、この常識が美容室でぶっ壊されてしまった

 

妹の紹介で初めて行った美容室に入り、席に案内をされました。

するとキレイな、女性スタイリストが私に言ってくるのです。

 

当店では、お客様のカルテをQRコードから作っていただいています。

こちらから、カルテの作成をお願いいたします。

 

カ、カルテ!!!

リスト取りがうま過ぎる・・・

 

衝撃でした

これまで通っていた美容室はもちろん、接骨院や病院では、紙に書いていた”カルテ作り”を、LINE上で実施。

 

名前、生年月日、どこでお店を知ったか?などなど。

常識をブチ壊して”紙→LINE“に変更しただけ。

それだけで、お客様のリストが取得できてしまう・・・

 

こんなに自然なリスト取りは素晴らしい

思わず言ってしまいました。
(女性スタイリストはポカーンとしていた。)

自然なセールスに繋げるリスト活用術

カルテの作り方も秀逸でした。

髪の毛に対する悩み

・頭皮に関する悩み

・美容に関する悩み

・美容室の利用頻度

・カラーの好み

などなど、僕(ターゲット)の悩みを、ドンドン深掘りしてくるのです。

 

もし、僕が抜け毛を気にしているのであれば「抜け毛予防シャンプー」のセールスが、自然とできますよね。

逆に言えば、興味がない人に無駄なセールスをしなくて済むので、ブロック率(クレーム)の軽減に繋がります。

 

実際に、僕の元へは

「女性への贈り物にピッタリの”まつ育”商品が入荷されました!」

という案内が来て、しっかりと買いました。笑

 

僕たち人間は、セールスされることを嫌う生き物です。

適切な人に、適切なタイミングで、セールスをすることで、販売者・購入者の双方にストレスのない、ビジネスが構築できます。

このことを、理解しているからこそのカルテ作りでした。

 

また「美容室の利用頻度」を伺うのも、非常にうまいと思いました。

僕が”2ヶ月に1回”と書いたことで、2ヶ月後にLINEが届きました。

 

「そろそろ、カラーも落ちて髪も伸びてきたのではないでしょうか?

○月○日〜○月○日の何時なら、ご予約を受け付けることが可能です。

まさむね様の御来店、心よりお待ちしております。」

 

こんなLINEが届けば

そうそう!髪伸びてきたんですよ!」と、高確率で予約をします。

 

適切なタイミングでのセールスが完成です。

お手本のような、リストマーケティング

教育が強過ぎるリピーター戦略

とは言え、その場で次回の予約を取れるのが1番良いわけです。

このリピーター戦略も非常に上手でした。

 

よくある失敗の例として

次回の予約をしていただければ、シャンプーをプレゼント

というオファー。

 

正直、これだけでは魅力を感じません。

どんなシャンプーなのか?一切わからない。

つまり、僕がプレゼントでシャンプーをもらうメリットが感じられないわけです。

 

無料だから、誰でも受け取るでしょう」と考える人も多いですが、これは大きな間違い。

お金がかからないと言っても、ゴミを受け取るなんてことは誰もしませんよね。

 

街中でポケットティッシュが、無料で配られていますが、ほとんどの人が受け取っていないのが証拠です。

タダなら、なんでもかんでも受け取ってもらえる訳ではありません。

 

この美容室は、この事をしっかりと理解していました。

僕がお店に入ってから、ずっとシャンプーの教育がされていたのです。

 

このシャンプーを使うと、こんな明るい未来が待っています」と、ポスターや冊子で何度も何度も伝えてきていました。

  • カラーが長持ちする
  • 髪の痛みを軽減できる
  • 頭皮のケアも同時にできる

などなど。

 

このシャンプーの価格はビックサイズで22,000円。

髪の毛のケアに興味がない僕にとっては、目ん玉が飛び出すほど高い。

 

「シャンプーって1,000円以下でしょ?」と。

 

しかし!

このシャンプーを予約購入している人が大量にいるのです。

 

〇〇様。予約シャンプー」と、お店のあらゆる場所にズラズラと並んでいる。

レジの前、シャンプー台の前、ロッカーの横。

 

多くの人に選ばれています!

と、お店が無言で伝えてきているのです。

バンドワゴン効果の使い方も、非常にうまいですよね

 

  • 徹底した教育
  • 22,000円という価格
  • 多くの人が購入している事実

 

このシャンプーの試供品が、無料でもらえる。

よっぽど、嫌いなお店でない限り、次の予約もしてしまいますよね。

実際、僕は鬼リピーターになっています。

 

完璧なリピーター戦略です。

 

しかも・・・

次回予約の際に、お店の口コミを書くこともお願いしてきました。

 

もし

次回予約と口コミを書いてくれたら、シャンプーをプレゼント

だったらハードルが上がりすぎていて、反応が落ちてしまうでしょう。

 

まずは、次回予約をしてもらい、プレゼントを渡してから追加のお願いもする。

 

僕はシャンプーを受け取っているので、返報性の法則が働いて断りづらい。

とても上手なオファーだと思います。

 

そして、ここから更に、極悪非道なセールスが待っていました・・・

顧客単価を〇〇でアップさせる

ビジネスリテラシーの高いあなたは、すでにお気づきかもしれないですね。

 

そう。

シャンプーのプレゼントを受け取り、次回来店した時・・・

このシャンプーのセールスが始まるのだ。

 

「前回のシャンプーはいかがでしたか?」

「やっぱり市販のとは違いますよね」

「髪の毛の痛みも抑えられるし」

「お風呂上がりのツルツル感もすごいですよね!」

「いま、お客様の髪の毛を触ってても全然違いますもん」

などなど、怒涛のセールスが始まるのです。

 

プレゼントが、次なるセールスの布石となっているわけです。

私がコンサルしているピアノサロンでも、プレゼントを布石にバックエンドをセールスしています。

 

ビジネスにおいて、お客様に”変化を実感“してもらうことは、とても大切なファクターです。

シャンプーを実際に使用してもらい、変化を体感してもらう。

これほど、強力なアプローチは存在しません。

 

しかも、このシャンプー自体は、その美容室の商品ではなく、他社が開発したものです。

つまり、アフィリエイトですね。

 

他社の製品で、次回予約をとりリピーター化し、代理販売の利益も得る。

素晴らしい戦略です。

 

実績がないから売れません・・・

そんな相談を受けることをありますが、今のシャンプーセールスに実績は一切存在していません。

  • 体験
  • 実感
  • 変化

これらを、お客様に与えただけです。

 

  1. プレゼントの教育をする
  2. プレゼントを受け取ってもらう
  3. 使用して変化を実感してもらう
  4. セールスをする

美容室がやっていた事は、たったこれだけです。

 

お気づきかもしれないですが、この戦略を教えてあげるだけでも美容サロンのコンサルが可能ですよね!

仲の良い美容師さんがいれば、今すぐにこの方法を教えてあげてください。

 

私は20年間、同じ美容室に通っていましたが、今回新しい美容室に行って本当に良かったと思っています。

慣れ親しんだ場所は、居心地も良いし、ストレスも感じません。

 

しかし、その反面、学べることが少ないのも事実。

自分の常識をブチ壊すことで、新たな発見と出会えることを、身を持って体感しました。

 

伝説的なマーケター。ジェイ・エイブラハムもこんなことを言っています。

「あなたのビジネスを飛躍的に成長させるには、あなたが今いる業界の外に出て、ブレイクスルーするヒントを探すことが重要」

 

ぜひ、あなたも消費者体験を、僕のように言語化してみてください。

あなたのビジネスが飛躍するヒントが、多く見つかるはずです!